現在ほとんどの場所で県や市区町村の境界線が明確に敷かれていますが、一部では「飛び地」といって、同じ市区町村なのに場所が離れている地域があります。

多くは地形の関係で飛び地になっていることが多いそうです。

地球単位でみると、国をまたいでの飛び地になっている例もあります。


代表的なのは、カリーニングラード州というロシアの飛び地。

東はロシア、西はバルト海に面したバルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)ですが、実はこのバルト三国の西側にもロシアがあります。

元々は東プロイセン(現在のドイツ)でしたが、第二次世界大戦後、ソビエト連邦に割譲されたため、飛び地になっています。

大戦後、バルト三国がソビエト連邦に組み込まれたため目立ちませんでしたが、ソビエト解体後にバルト三国が独立すると、ロシアの飛び地としてクローズアップされました。

カリーニングラード州は、琥珀の重要な産地でもあります。


また、オランダの中にはベルギーの飛び地があります。

オランダ南部バールレ=ナッサウという町に、バールレ=ヘルトフというベルギーの飛び地が点在しています。

かつて公爵の土地だったことが理由だそうですが、この飛び地は非常に入り組んでいて、町の道路や敷地のあちこちに国境線が敷かれています。


オマーン_飛び地_UAE


面白いのは、UAE(アラブ首長国連邦)とオマーンの飛び地。

UAEの東部ムサンダム半島の先端にオマーンの飛び地があります。

そして、この先端の地から少し南に行くと、もうひとつマドゥハーというオマーンの飛び地があります。

このマドゥハーという飛び地が少しややこしい。

何がややこしいのかと言うと、マドゥハーの中にまたナフワというUAEはシャルジャ共和国の飛び地があるのです。

飛び地の中にまた飛び地。

二重丸(◎)をイメージしていただくと分かりやすいでしょうか。

この世にも不思議な飛び地へは、弊社の黒石が訪れたことがあります。


他にもブルネイなど、世界には他にも摩訶不思議な飛び地がありますが、実は日本にも幾つか飛び地があります。


代表的なのは北山村という、奈良県と三重県の県境にある和歌山県の飛び地。

北山村は昔から林業で栄え、伐採された木材の輸送はイカダを利用して川で運んでいましたが、輸送業者は現在の新宮市の人が担っていたそうです。

廃藩置県の際、新宮市が和歌山県に編入された際、北山村の住民も和歌山県に入ることを望み、現在に至っているそうです。


また意外と思われるかもしれませんが、東京都にも飛び地があるのをご存知でしょうか。

しかも二か所も!

ひとつ目が練馬区の西大泉町で、埼玉県新座市の中にあります。

50年ほど前に飛び地だと発覚したそうですが、その理由は今もなお不明なのだとか。

ふたつ目が稲城市。

神奈川県川崎市のよみうりランド内に稲城市があります。

明治時代半ばまで稲城市は神奈川県に属し、その頃から既に同じ県内の飛び地だったことが分かっているそうですが、やはり詳細は不明だそうです。


飛び地探し、世界、日本ともに楽しいですね。

岩井六朗(いわい ろくろう)

いつも無骨に全力投球。JTBグランドツアーでの添乗回数も多く100回を超える。お客様にお配りする「旅の想い出」のイラストを心をこめてていねいに描く意外な面も。