魚のカルパッチョは、実は日本が発祥?


暑くなりました。暑いと冷んやりしたものやさっぱりしたものが食べたくなります。

決して夏限定ではありませんが、イタリアには、生魚を薄切りにしてオリーブオイルや調味料を足した有名料理カルパッチョがあります。

お酒の肴としても好まれるこの食べ物は、日本でも人気があります。


しかしこのカルパッチョ、元来は魚ではなく、

新鮮な牛の生肉の赤身の部分を薄切りにして、パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズとともに食べる料理であるのはご存知でしょうか。

しかも、魚を使ったカルパッチョは実は日本が発祥なのです…!


「えっ、イタリアのレストランにも魚のカルパッチョはあるよ?」と思うかもしれません。

実はこれ、日本人シェフが魚として出したあとにイタリアでも刺身ブームが起き、定着したもの。

今では野菜やフルーツを使ったカルパッチョもお店によってはあり、食文化が進化した好例として認知されています。


カルパッチョの起源は諸説ありますが、はっきりしているのは、カルパッチョの名前そのものが15世紀ベネチア派の画家、ヴィットーレ・カルパッチョから来ていることです。

彼が生牛肉を好んで食べたからだとか、彼の独特の赤色を基調とした作風が、薄切りの生牛肉の色彩に似ているだとか、諸説いわれています。実際ベネチアの美術館に行くとカルパッチョの絵画があり、迫力満点です。


昔、彼の絵を観たとき、「この人、食べ物の名前じゃん!」と笑った記憶があります。当然、恥ずかしいのは無知だった私の方で、彼こそが起源だったのに。


今回は暑さから連想したカルパッチョですが、メニュー表で見かけるといつも当時の記憶を思い出し、そして思うのです。


「あ~、カルパッチョ食べたい!」と。



イタリア_ヴェネチア


(ベネチアにて)

岩井六朗(いわい ろくろう)

いつも無骨に全力投球。JTBグランドツアーでの添乗回数も多く100回を超える。お客様にお配りする「旅の想い出」のイラストを心をこめてていねいに描く意外な面も。